学名：Sieversia pentapetala （Geum pentapetalum）
バラ科 / チングルマ属　耐寒性矮小灌木

本州中部以北、北海道、千島、樺太、アリューシャンにかけて分布する矮小灌木です。緯度が高くなる（北に行く）ほどに低地にも生育していますが、基本はやや湿った草原に生える高山植物です。主幹から地を這うように次々と枝を出してマット状に広がります。雪解けとともに芽出しが始まり、細かく切れ込んだつやのある羽状複葉を広げます。夏も近づくころには芽の中心から花芽を伸ばして、黄色い葯の目立つ白いウメの花に似た5弁花を開きます。花が終わるとやがて長い毛のあるタネが実ります。この長く伸びた毛が風にそよぐさまを稚児の風車に見立ててチングルマと名づけられたといわれています。
自生地では夏の始めの開花ですが、低地では５月頃になります。

日照を好む植物です。できれば雨を避けられる風通しのよい明るい日の当たる棚上で栽培します。夏は葉が焼けてくるようなら寒冷紗で50％遮光して葉焼けを防ぎます。枝が乾燥するのを嫌うので、冬は風を避けて温度の上がらない棚下などで休眠させるか、落ち葉や水ゴケなどをかぶせて保護します。水切れさせないようにしてください。

花期:5~7月
樹高：10~20cm